───簡単な自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。───
江草:岩村もみじ屋の社長やってます。 江草大和です。
───ありがとうございます。では、ここを創業した時にお店に込められた思いを教えてください。───
江草:僕が今4代目になるんですけどここに来てまだ十年ちょいぐらいなんで創業が、『明治末期創業』とかで正確な時期か分からないんですよ。でもともと、岩惣旅館に勤めていたのが、初代が岩村栄吉さんという人なんですけど、そこから独立してもみじ饅頭を始めたんで創業時の思いというとあるんですが、本当に記録が残ってないんでなんともですが。
───歴史がものすごく深いと思うんですけど、今、江草さんはどんな思いを込めて営業されていますか?───
江草:ちょっとあの店の規模を小さくしてしまったんで、できる範囲で美味しいお饅頭を作ろうという心がけてます。
───素敵です。次にこのお店の売りを教えていただきたいです。───
江草:おいしい商品を作ってというのと、まあ自分で納得して安心して人に勧められるものは作っていきたいかなとは思っていますね。だからまあ味が美味しいっていうのが、昔からそうやってきて、『宮島の桟橋から一番遠いお店』だけど、「人が来る」っていうのがその特徴があって、わざわざ足を運んでいただいているので、やっぱりそこの部分をずっと守っていけたらなというのはありますね。
───そうですよね。僕の母は岩国出身(山口県)なのですが小さい頃によく宮島に来てたみたいで、来たら絶対もみじ饅頭は岩村もみじ屋さんで買ってたということでした。そこで美味しさの秘訣ってなんだろうな、フェリー乗り場から遠くのここで買うのはなんでかなと少し疑問に思います。他とは違う魅力などはありますか?───
江草:材料も多分全部他のところとは違うし。 作り方も違うのかなあっていう。はい、たぶん違うと思います。 すごい曖昧ですけど。
───ちょっと古い記憶にはなりますが、僕の母が少し前に岩村もみじさんのおじい様とお話ししたことがあるそうで、その時「あんこ」が売りなんだ。って伺いました。岩村もみじ屋さんのもみじ饅頭を食べてると本当にあんこの美味さを感じます。───
江草:あんこは頑張って炊いてます。
───ありがとうございます。私(別のインタビュアー)も東京の知り合いとかにもお土産として送りますが、やっぱりすごい喜ばれて、 他とは全然違う。 私が感じるのがなんか日が経ってからもすごく美味しいですよね。 できたてはどこも美味しいのは当たり前なんですけど。2,3日たって食べてもすごい美味しいなっていうのはすごく感じるのですが秘訣はありますでしょうか?───
江草:多分カステラが違うからだと思いますね。カステラが変化しにくいんで
───近年外国人の観光客も増えていると思うのですが、外国の方の口に合わせるために新しい味を作ったりしていらっしゃいますか?───
江草:してないですね。 意外とそのままでお召し上がっていただいてるんで、ちょっとずつ変わっているとは思うんですけど、微妙に今も変わり続けてはいるんで。ずっと百点を取り続けるのは無理だから安定して、90点近くにあるような作り方にしてます。どうしても大量生産でばらつきが出るんで。「美味しくするというより安定感を」だす方にやっぱり心がけてます。
───ありがとうございます。次の質問に移ります。商売へのこだわりみたいなものはありますか?他の店舗さんと違ってお客さんに話したりするのは強く見られますがどうでしょうか?───
江草(婦人):そうです。 多いですね。 できるだけ誠実に対応したいなとは思ってます。さっきの話にちょっと戻るんですけど、岩村さんちって基本アホみたいに正直な人が多くて、あの多分材料とか選ぶ時も、利益を見ずに多分最初からいいものをできるだけ選んできてたから、この味になったのかいうように思っています。
江草(主人):商売商売のちゃんとすごい利益を計算しながらやっていますね。
僕がちゃんと一日どれぐらい製造しどれくらいになるかっていうのは、一応全部頭に入れてやっています。例えば、今日はちょっと少なめでもいいかとかって思いながら、今月は大丈夫。雨だから…みたいに商売だったらちゃんと考えています。
でも、材料の原価率はあんまり考えてないんで。高くても買っとこうかとかってやってます。
───絶対それが美味しい秘訣です。知れて良かったです!───
江草:もみじ饅頭はもともと宮島なんで、その組合に入ってるのも10何店舗かあるんで、そこで買っておくと間違いないと思います。
───次の質問なのです。ここ中江町で商売され始めてから、多くのお客様と関わってこられたと思います。その時に一番幸せを感じた瞬間はありますでしょうか。───
江草:お客さんというより、やっぱり近所の人がたくさん買いに来てくれるのがありがたいですね。やっぱり。本当に島の人がゆっくり会いに来てくれて、よくしていただいているし、それに自信を持って島の人が買いにくるお店ですよとは言えるかなと思います。ちょくちょく近くから来ていただいてしてるんで。
───ありがとうございます。最後になります。中江町にいらっしゃる観光客の皆様に一言お願いします。───
江草:中江町だと分かってきている人っていうのが多分少ないと思います。どっちかっていうともう通路間隔になってるんじゃないんかなと思います。でも、ロープウェイを目指すんなら断然こっち通った方が楽しいよというのがあるのかなと思いますね。
───素敵だと思います。───
江草:なんでロープウェイに行くのにバスを目指すのだろうというか、 桜の季節に来ているのになんでお花見せずにバスに乗るのっていう疑問はありますね。
歩いていったほうがいいのにな、もったいないなと思いますね。
ぜひ歩いていただきたいですね。
───本当にそう思います。では以上で終わります。本日はありがとうございました。───
【インタビュー・撮影・文・編集:学生スタッフ】
岩村もみじ屋
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